米軍MRE

MREとは?レーションってどういう意味?アメリカ軍の戦闘糧食について

MREとは

https://mre.jp

この記事はPRを含みます
当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品のご紹介を行なっております。
当サイトを経由しサービスの申し込みや商品の購入があった場合には提供企業から報酬を受け取る場合がありますが、これは当サイト内の各サービスの紹介や評価、ランキング等に影響を及びすものではありません。

MRE(エムアールイー)はMeal Ready to Eatの略で、直訳をすると「準備の整った食事」。

アメリカ軍が戦場の兵士に配給している戦闘糧食(レーション(Ration)、正しい発音はラーションに近い)です。Military Ration、Meal Ration、とも呼ばれたりします。

各国の軍隊毎に独自の戦闘糧食が用意されてますが、一般的にMREはアメリカ軍の「Meal, Ready-to-Eat」を指していて、カナダ軍であればIMP(Individual Meal Pack)、イギリス軍であればORP(Operational Ration Pack)と各国によって名称は様々です。

ちなみに自衛隊の場合は「戦闘糧食I型」「戦闘糧食II型」と呼ばれています。

自衛隊の戦闘糧食について知りたい方はこちらから!

関連記事
自衛隊戦闘糧食Ⅱ型
自衛隊の戦闘糧食について徹底解説!Ⅰ型とⅡ型の違いは?

日本の平和と安全を守る存在の自衛隊。 日本に限らず、海外でも災害時の支援などで派遣される事も多く、特に近年は自然災害などのニュースでもその活躍を耳にされている方も多いかと思います。 軍隊ではありません ...

続きを見る

MREの特徴・中身

特徴としては1包装が1食分(約1,250kcal)となっており、火などを用いて調理をしなくても水さえあれば専用のヒーターで温める事ができ、そのまま温かい食事が食べられます

1包装の中身はメインディッシュに加え主食、サイドメニューもしくはおやつとデザート、レモネードやフルーツポンチなどのジュースに、コーヒー、砂糖、塩などの調味料、スプーンとマッチなどが含まれています。

MREの外観

こちらがMRE1包装。この中に色々1,250kcal分の食事が詰まっている。

各包装毎にメインディッシュは決まっていて、上記写真だと「チリビーンズ」ですが、メインディッシュ以外に何が入っているかは開けてみるまで分からず(主食は大体メインディッシュに合わせて決まってたりします)、実際に開けてみて何が入っているのかを確かめるのもMREを食べる際の一つの楽しみなんです。

これは憶測ですが…メイン以外に何が入っているかが分からないようになっているのは、戦場という過酷な現場で兵士の束の間の楽しみを作る要素となっているからではないか?と思ってます。

MRE.JP
プレゼントを開ける時みたいなワクワク感があるんです!
2017年製米軍MREメニューNo.14の内容物

開けた時に色々入っててうれしい時も、ガッカリする事もある

そして、MREはCASE AとCASE Bの二種類に分かれていて、それぞれ12メニュー計24のメニューがあります。

MRE.JP
CASE Aは定番系メニューで、CASE Bは特徴のあるメニューが多くて毎年ちょこちょこ変わるイメージです。
MREケースA

こちらはケースA。段ボール毎に分かれている

民間品も中身に入ってる事が多いけどそのままの名前は使ってない

MREには普通にアメリカのスーパーなどで売っている製品もよく含まれています。

デザートなどに多く、有名なものだとM&Mのチョコや欧米人には馴染みの深いPop Tarts、Skittlesなどのお菓子がそのままのパッケージで入ってます

ただ、軍用品で広告宣伝につなげる事を避けるために固有名詞そのままは使わず、M&Mであれば「キャンディーコーティングされたチョコディスク」などの名前でパッケージされています。

MRE.JP
結局開けたら普通に売ってる時のパッケージそのまんまなんですけどね。

MRE専用のヒーター「FRH」に関して

FRH

メインディッシュを温めるヒーター

MREはFRH(Flameless Ration Heater)と呼ばれる専用のヒーターが付属されていて、これにメインディッシュのレトルトパウチを入れ、水を加える事で中に入っている発熱材との科学反応により熱が発せられ、温かい食事が食べられるようになります。

MRE.JP
FRHを必要としないメニューも1つだけありますが、それ以外のメニューには全部付属されてます!
FRHの中身

FRHの中身。これと水が混ざると科学反応が起こる

MREでメインを温めているところ

メイン料理をFRHで温めているところ

MREのアクセサリーパケットについて

MREのアクセサリーパケット

こちらはTYPE Cのアクセサリーパケット

メインディッシュや主食、デザートなどの各メニュー毎に異なる中身の他、各MREには調味料などが入ったアクセサリーパケットという小袋が入っています

そして、アクセサリーパケットにはA・B・Cの三種類があり、それぞれで微妙に中身が異なります。

共通で入っているものは「ウェットティッシュ、ティッシュ、塩、マッチとガム(シナモンかミント)」。

Bが一番シンプルで上記に加えてジュースが入っているのみ。

AとCに関してはコーヒーと砂糖、ホットソースやその他メインに合わせた調味料などが入っています。

2017年製米軍MREメニューNo.16のアクセサリーパケットの中身

ホットソースも入ってるアクセサリーパケット

MREのベバレッジバッグについて

MREのベバレッジバッグ

ベバレッジバッグ(正式にはホットベバレッジバッグ)はMREの付属品の一つで、コーヒーやジュースを作るための袋です。

MRE.JP
コーヒー入りのアクセサリーパケットA・Cの入ったMREには必ず付属されてます。

薄いただのプラスチックの袋に見えますが、実はかなり頑丈に出来ていて、チャックを締めれば中身が入った状態で落としたり、軽く地面に放るくらいでは破けません。

使い方は簡単でコーヒーやジュースの粉を袋に入れ、必要な量の水を右側の黒い線のところまで入れるだけ。

コーヒーであればFRHでメインと一緒に温め、ジュースであれば良く振って粉が溶ければ出来上がりです。

MRE.JP
FRHで温めても大丈夫なように熱にもかなり強く出来ています!
ベバレッジバッグの使用方法

6oz、8oz、12ozのマーカーラインが書いてある

MREのスプーンについて

MREのスプーン

最後の付属品がスプーンです。

スプーンなどが無ければ食事が食べられませんので、こちらは全MREに入っています。

特徴は迷彩色である茶色い事と、レトルトパウチから直接食べられるように少し長めになっています。

MRE.JP
長さは15cmくらいです!
MREと戦闘糧食Ⅱ型のスプーン

下は自衛隊戦闘Ⅱ型についてくるスプーン

MREの包装に関して

MREの箱を開けたところ

箱を開けると中にびっしり

野戦食であるMREには数々の包装基準があり、次の条件を全て満たす必要がある。

  • 高度380mからのパラシュート投下、高度30mからの単体梱包投下でも破損しない事
  • 外気温摂氏27度で最低3年間、38度でも最低6ヶ月保管出来る事
  • 摂氏マイナス51度からプラス49度までの気温(変動100度)に短期間耐える事

出典:Wikipedia

上記とおり、MREの包装の基準にはかなり厳しい条件が敷かれてます

戦場にはもちろん冷蔵庫なんて無い場合が多いですし、砂漠地帯であったり寒冷地帯であったり環境もさまざま。丁寧に配送できない場合などがほとんどなので、輸送機から投下する事もあります。

これらの条件に耐えうるべく、外装はかなり頑丈なビニールで出来ています。簡単には破けません!

MRE.JP
完全防水なのでで水に沈めても大丈夫!

そして、中身もレトルトパウチや真空アルミパウチなどが利用され、外的な衝撃からの保護に加え、中身の劣化を防ぐ加工がいくつも施されています。

レトルトパウチに施されているちょっとした工夫

MREのレトルトパウチ

MREのメイン料理などはレトルトパウチに入ってますが、普段よく食べたり見かけるものと違う部分が一つある事は分かりますか?

それは、通常は横に沿って切り口があるのに対して、縦に切り口があります

これにはちゃんとした理由があり、レトルトパウチから器などに中身を移し替えて食べる事が出来ない環境で、そのままレトルトパウチから直接スプーンで食べやすいよう設計されています。

ちょっとした違いですが、食べやすさという点では全然違います。

箱に貼ってあるオレンジのシールはなに?

MREの鮮度チェックシール「FreshCheck Indicator」

MREの箱には必ず貼ってあるオレンジのシール

MREの箱には必ず上記写真のようなオレンジのシールが貼ってあります。

これは「FreshCheck Indicator」といってMREが保存されていた温度や湿度によって色が変化し、鮮度がチェックできるシールとなってます。

二重の円が描かれていて、最初は外側の円の方が色が濃く、徐々に真ん中の円の色が濃くなり、上記写真のように外側よりも中側の円の色が濃くなると鮮度が悪くなっている可能性がある、というのが分かる仕組みです。

MRE.JP
ただ、こちらはあくまでも目安でしかなく、実際に上記写真のMREは全て問題無くいただけました!

MREの賞味期限は?

基本的に賞味期限は製造日から5年とされています。

ただ、上述したようにかなり過酷な現場でも耐えうる仕様になっている事もあり、比較的保存環境が良ければそれ以上、場合によっては10年~20年後でも食べられると言われています。※ここらへん、実際に食す際は完全に自己責任です!

MREのDate code

MREの製造日はデートコードと呼ばれる4桁の数字で管理されている

関連記事
MREのレトルトパウチ
レトルト食品の賞味期限に関して。期限切れても食べられるの?

非常食といえばレトルトパウチや缶詰に入ってるものがほとんどかと思います。 普段食べる用に購入したものであれば期限を切らす事はめったに無いと思いますが、非常時用に備蓄しているものだといつの間にか賞味期限 ...

続きを見る

MREの製造日(Date Code)に関して

MREの製造日はDate code(デートコード)と呼ばれる4桁の数字で確認する事が出来ます。

上記写真だと「7194」で、「2017年の194日目」に製造された事を表しています。最初の1桁が製造年、次の3桁が1年のうち何日目かを表しています

MRE.JP
つまり賞味期限は2022年6~7月くらい!

段ボールケース、中に入ってる各MREの外装、内容物も全てデートコードが印字されています

これとは別に検品日(Inspection Date)というものが製造から3年後にあり、MREの状態が問題ないか?を確認する日付となっています。

こちらはあくまでも検品する日程なので、賞味期限にはあまり関係ありません。

MRE中身のデートコード

中身にもそれぞれデートコードが印字されている

MRE用語集

軍用品という事もあり、特殊・専用の言葉を使う事が多いので用語集を作っておきます。

用語 訳・意味
AMERIQUAL アメリカル社。MRE梱包会社の一つ。外装を開けるとさらに透明な袋で中身が二重パッキングされているのが特徴。
Beverage Bag(ベバレッジバッグ) MREに入っているジュースやコーヒーなどの飲み物を作るために使われる専用のバッグ。
ジッパー付きで封を閉めればかなり頑丈なため、地面に落っことしたり叩きつけても破れにくい仕様になっている。
C-ration(Cレーション) 現在のMREが開発される前に採用されていたレーション。
現在のようにレトルトパウチではなく、主食やクラッカーなどがそれぞれが缶詰に入っていてセットになっていた
Date Code(デートコード) 製造日を示す4桁の数字からなるコード。1桁目が製造年、続く3桁が製造日を表している。
MREを詰めた段ボール、各MRE、中身のパウチにも全て印字されている。
FRH(Flameless Ration Heater) MREのメインディッシュを温めるための専用ヒーター。
水を加える事で発熱材との科学反応で熱を発し、食事を温める。
First Strike Ration(FSR) 戦場の中でも戦闘の最前線の現場兵士のために配給されているレーション。
通常のMREよりも重量が軽減され、FRHで温める必要もなく、パックを開けてすぐに食べられる物中心になっている。
MREの中にもFSRの品(主にエナジーバー)が入っている事もある。
Inspection Date(インスペクションデート) 検品日。MREの製造から3年後に設定されている
MRE(Meal, Ready-to-Eat) アメリカ軍の戦闘糧食
Meal, Cold Weather(MCW) 寒冷地用のMRE。メインディッシュなどはフリーズドライとなっており、お湯を加えて準備する。寒冷地はよりカロリー消費が激しいため、1食あたり約1,540kcalと通常のMREより多い。
SOPAKCO ソパコ社。MRE梱包会社の一つ。
WORNICK ワーニック社。MRE梱包会社の一つ。

MREは不味いと聞いたけど実際はどうなの?

MREの中身

MREは不味い!と見たり聞いた事はありませんか?

色々調べているとMREの事を、

Meals, Rarely Edible(とても食べられたものじゃない食べ物)
Meals Rejected by the Enemy(敵からも拒否された食べ物)
Meals Rejected by Everyone(誰もが拒否した食べ物)
Meals Rejected by Ethiopians (エチオピア人すら拒否した食べ物、1983年から1985年まで起きたエチオピア大飢饉に因む)
Meal, Ready to Excrete (すぐ吐き戻せる食べ物)
Morsels, Regurgitated, Eviscerated (吐き戻され、骨抜きにされた一口)
Mentally Retarded Edibles (知恵遅れな食品)
Materials Resembling Edibles(食べ物に似た何か)

出典:Wikipedia

と呼ばれていた事もあるそうです。

ただ、これらはMREの開発初期の頃に言われていた事であり、現在は味もかなりクオリティの高いものとなっています。

MRE.JP
今まで何食も食べてきましたが、ちょっと微妙かなと思ったのは1~2食程度です!

MREはどこで入手できるの?

MREのケース

ケースで購入するとこのように届く

MREは実は身近なアマゾン楽天市場などでも販売されています。

ただ、1包装毎の購入だと少し値段が高くなって暇うのが難点です。

自分が普段購入させていただいているのは米軍放出品の販売、ミリタリー web shop リトルパンダ様です。

リトルパンダであれば1ケース(12食入り)で安ければ10,000円前後~16,000円前後で購入が可能。

MRE.JP
安ければ1食あたり900円前後!

もちろん、いきなり1ケース買うのも値段が高いですし、まずはどんなものか楽天市場やアマゾンで試してみるのも良いかと思います!

MREを売る事、買う事は違法じゃないの?大丈夫?

MREの外箱

COMMERCIAL RESALE IS UNLAWFULと記載されている

MREの外箱には「COMMERCIAL RESALE IS UNLAWFUL(民間への再販は違法)」と書かれています。

が、実際にアメリカでこれを取り締まるための法律は存在しなく、違法性は一切ありません。(横流しをした兵士自体が軍から罰を受ける可能性などはありますが…)

実際にアメリカではeBayでMREが多く販売されており、過去にアメリカ軍がeBayへ規制するよう要望した事もありましたが、eBayは「明確に法律で販売が禁止されない限り規制はしない」と声明を出しています。
※出典:Wikipedia(英語版)

実際に食す場合は完全自己責任で

違法性は無いので安心して購入して問題ないですが、販売されてる物の多くは「食品」としてではなく「コレクション品」です。

食品としての販売ではない以上、賞味期限が切れている場合もあり得ます。※心配な場合はDate Code(製造日)が確認できるものを購入しましょう

実際に食す場合は完全自己責任である事を念頭に置いておきましょう。

MRE.JP
日本で流通してるものの多くは在日米軍基地で保管されていたものが多いと思うので、保存状態が悪いものは少ないと思います!

※↑憶測なので実際どうかは分かりません!

在日米軍基地の開放日などでも購入できるみたいですね(いつか行ってみたい)。

当サイトでレビューしているMRE一覧

2015年製メニューNo.1「Chili Beans」の内容物

最後に当サイトでレビューをしているMREの一覧を載せておきます!気になるものがあればぜひご覧ください。

※一覧は随時更新させていただいてます

2014年製

2015年製

2017年製

2018年製

2019年製

非常食として優秀なMRE。ぜひお試しあれ

日本では入手できる経路が限られてるMREですが、何か災害等が起きた時のための保存食・非常食としてはかなり優秀です。

是非この機会に一度MREを試してみませんか!

  • この記事を書いた人

MRE.JP

ミリタリー系好きが派生してMRE好きに、そして非常食系マニアになりました。MREや各国レーション、ミリメシ、非常食をレビューしてます! 銃なども好きで過去には散弾銃(Remington870 Magpul Custom)も所持してました。出身はカナダで幼少期は海外で育ちました。

-米軍MRE

© 2024 MRE.JP