鍋にお肉や野菜などさまざまな食材を入れて作る煮込み料理。
調理法はシンプルですが、使う食材は調味料、スパイスやハーブによって全く違う料理になり、世界各地どこにでもその地域ならではのものが存在しますよね。
その地域や周辺などでは有名な料理でも日本だとあまり知られていないものも中には多くあります。
今回は煮込み料理の一種である、MREのメニューNo.22「BEEF GOULASH」の実食レビューをお届けさせていただきます!
目次
MREメニューNo.22「BEEF GOULASH」について
「BEEF GOULASH」は2019年に登場した、MREの中では比較的新しいメニューの一つです。
元々メニューNo.22は「Asian Style Beef Strips with Vegetables(アジア風ビーフ)」というアジア系メニューでしたが、この入れ替わりによって唯一のアジア系料理がMREから無くなった形となります。
牛肉系メニューという部分については共通ですね。
GOULASH(グヤーシュ)とは?
日本だとあまり聞き馴染みの無い「GOULASH(グヤーシュ)」ですが、お肉や野菜をパプリカなどのスパイスで煮込んだ、ハンガリーを代表する料理となっています。
起源はハンガリーですが、ドイツをはじめ、ヨーロッパの幅広い地域で広く食べられ、元々は牛肉を使った煮込み料理ですが、豚肉やマトンなど、さまざまなバリエーションが存在します。
ちなみにハンガリーだと「グヤーシュ」と発音し、ドイツやアメリカだと「グーラッシュ」と発音します。
また、調べたところドイツ食材などを取り扱っているお店では冷凍のものが販売されてました。
外装と内容物
今回レビューさせていただくのは2019年製、SOPAKCO社製造のものです。
デートコードは9043なので2019年2月12日に最終梱包されたものですね。
MREは保存状態が良好であれば最大5年間は品質を保てるように設計されてるので、ちょうどその期間内のものとなります。
なお、MREの製造会社や製造日を示すデートコードの読み方、賞味期限等、MRE全般については下記「MREとは?」の記事で解説してるので詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
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内容物
続いては中身をチェックしていきましょう!
外袋を開けると、さらに中身が透明な袋でラップされてます。
そして、内容物は以下のラインナップでした。
内容物
ビーフグヤーシュ、パン、ピーナッツバター、ストロベリージャム、シュガークッキー、アップルソース、ミルクチョコレートココア、アクセサリーパケット、FRH、スプーン
それぞれもう少し詳しく見ていきましょう
ビーフグヤーシュ
まずはメインのビーフグヤーシュです!
牛肉とお米、ほうれん草、人参、トマトとスモークパプリカがメイン食材ですね。
227g入りでカロリーは240kcal。
パン
続いては主食のパンです。
こちらはMREではお馴染みですね。57gで190kcal。
裏面に記載のデートコードは8361だったので、2018年12月27日製造のものです。
ピーナッツバター
ピーナッツバターもMREではお馴染みですね。
「CHUNKY」なので、ピーナッツの粒つぶが混ざってるタイプです。
28g入りでカロリーは160kcal。
写真だと見えづらいですが、デートコードは8309だったのでこちらも2018年製造のものです。
ストロベリージャム
続いてはストロベリージャムです!
ピーナッツバターもあるので、これはパンと組みあわせてPB&J(ピーナッツバター&ジェリー)に決定ですね。
28g入りで70kcal。
シュガークッキー
次はデザートのクッキーです。56g入りで240kcal。
最後に「PATRIOTIC」(愛国心的?)と記載されてますが、どこらへんが愛国心なのかはこの後のレビューで。
アップルソース
次はアップルソース!
頭に「Z」が付いてるので、正式名称はザップルソースです。
128g入りで160kcal。
ミルクチョコレートココア
続いては飲み物のミルクチョコレートココア。
袋に水を入れ、そのまま飲むタイプですね。
16oz(約170ml)分作れ、カロリーは140kcal。
その他MRE共通で入ってるもの
最後は各MRE共通で入ってる付属品です。
今回は飲み物がそのまま袋から飲めるタイプのものなので、ベバレッジバッグは付いていません。
アクセサリーパケットの中身
アクセサリーパケットは左上からウェットティッシュ、ティッシュ、塩、レモネード、ガムでした。
本来はマッチも入ってるはずですが、漏れてしまったのでしょうか?
以上が今回の中身それぞれの紹介でした!
全て合わせると1,200kcalぴったり(5kcal程度のレモネード除く)、過酷な活動をする兵士の1食にはちょうど良いですが、それほど動かない一般人には十分すぎますね。
2019年製メニューNo.22「BEEF GOULASH」の実食レビュー
ここからは実食レビューに移りたいと思います!
まずはメインを温めて食べる準備から始めましょう。
メインの準備
メインを温めるためのFRHにレトルトパウチを入れ、水を少し注ぐだけで加熱が開始されます。
古いFRHは科学反応が起きなくて温められない場合もありますが、今回は少し遅いものの少しずつ加熱されていくのが確認できました。
湯気が噴き出るほどでありませんが、触れないくらいに熱くなってるのでこれならしっかり温まってくれそうです。
少し時間が必要なので、説明書きのとおり少し斜めに立てかけてこのまま15~20分ほど放置します!
レモネードの味は?
メインを加熱してる間に飲み物を作りたいと思います!
レモネードは袋は小さいものの、これだけで20oz(約566ml)分作れるので、空いたペットボトルで作っていきます。
爽やかなレモンの香りと程い甘さが広がる、美味しいレモネードです。
人工甘味料の中にはずっと口の中に甘さが残る後味のもありますが、こちらはそのようなこともなくとてもすっきりです。
ミルクチョコレートココアの味は?
2つ目の飲み物であるミルクチョコレートココアもこのタイミングでいただきたいと思います!
冷水とお湯どちらでも大丈夫になってますが、今回は冷水でいただきます。
冷水でしたが、粉はしっかり溶けてくれました。
水を少し多めにした事で甘すぎず、すっきりとした味わいに仕上がりとても美味しいですね。
ゴクゴクいけるタイプなのと、レモネードと比べて量が少ないので一度に全ていただきました。
PB&J
続いてはパン、ピーナッツバター、ストロベリージャムでPB&J(ピーナッツバター&ジェリー)をいただきます!
PB&Jは通常サンドウィッチですが、パンは1枚なのでオープンサンドスタイルになります。
パンは色合いも綺麗ですね。
製造から5年経ってもまだまだ食べられる状態です。
何も考えずに塗るとパンからジャムがこぼれて大変なので、壁になるようにピーナッツバターを塗りました。
古いMREだとジャムの水分が分離していて水っぽく、パンからこぼれる事もありますが、今回はしっかり元の状態を保っています。
ストロベリージャムとピーナッツバターを合わせる事で甘さが抑えられてフルーティな酸味が味わえてとても美味しいです!
MREのパンはそのままだと水分が少なくて少々食べづらいですがが、ピーナッツバターとジャムによって水分が加わり食べやすくなります。
パンは保存料による酸味のようなクセもありますが、それも薄れて食べやすいですね。
最後まで塗ったジャムもこぼれず、綺麗に食べる事ができました。
BEEF GOULASHの味は?
いよいよメインのBEEF GOULASHです!
機能しないFRHも多い中、今回はしっかりと温めてくれました。
そして、中身の見た目は以下のようになっていました。
ソーセージのようなスモーキーな香りがして美味しそうです!
味についてもとてもスモーキー、お肉の食感がしっかりと感じられますが、あまり味は付いていなく、中は少し乾燥気味でパサパサしています。
人参などの野菜は柔らかくて口の中で溶けてしまいます。お米も見えますが、ほとんど食感は感じられません。
塩気のあるスモーキーなトマトの味がベースですが、旨味と呼べる要素が少なくて少し単調な味わいです。
後からスパイスの辛味が口の中に広がってきます。
素材の味もあまり感じられないですね。コーンなど入ってたら印象が変わりそうです。
メキシカンな煮込み料理という印象で、トルティーヤで巻いて食べたたくなる味でした。
他のMREだとチキンブリトーボウルにとても良く似ています。
新メニューなので少し期待してましたが、これなら2018年までのアジア風ビーフの方が断然美味しいです!
シュガークッキーの味は?
続いてはデザート一つ目のシュガークッキーです!
前述した「PATRIOTIC」はクッキーの形に表れています。
上記写真のように国旗だったり、アメリカを象徴するシンボルの形をしているところが「愛国心」という名前が付いてる理由です。
味についてはバターの香りが広がる、甘すぎずしつこくない美味しいクッキーでサクサクとした食感も良く、コーヒーと一緒に食べるととても美味しいおやつになっています。
アップルソースの味は?
最後の一品はアップルソース!
個人的には色々あるMREの中身の中で、一番ワクワクしないものの一つです(笑)
一言で表すと水っぽいリンゴジャムといったところでしょうか。
袋から直接食べる(飲める)ようになっているのは、時間が無い中瞬間的にエネルギーを確保できるようにするためと思われます。
まとめ
以上、今回は2019年製米軍MREメニューNo.22「BEEF GOULASH」の実食レビューでした!
2018年までの「Asian Style Beef Strips with Vegetables」がとても美味しいメニューだったので期待してましたが、あまり特徴の無い無難な味の煮込み料理になってしまっていて少し残念です。
MREは同じメニューでも毎年マイナーチェンジなどもあるので、もしかすると2020年以降の同メニューはまた印象が違うかもしれないですね。
別の年度のものはまたそのうちレビューしてみたいと思います。
MREはメイン料理からデザート、飲み物まで揃っていて非常食としても優秀です。
まだMREを試した事の無い方、ヤフオクや楽天市場、Amazonでも購入は可能なので、非常時用の備蓄として検討してみてはいかがでしょうか?