挽肉に豆や野菜などにスパイスを混ぜて煮込んで作る、日本だと「チリコンカン」と呼ばれているメキシコ料理がありますが、欧米だと単に「チリ」と呼び、色々な他の料理や食材と組み合わせる事が多く「チリ○○」というものが多く存在します。
今回は米軍の寒冷地用レーション、MCWのメニューNo.3「CHILI MACARONI WITH BEEF」の実食レビューをお届けしたいと思います!
MREにも存在するメニューですが、どんな違いがあるのでしょうか?
なお、MCW全般に関する情報は下記記事にまとめてるので、詳しく知りたい方は併せてぜひご覧ください!
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目次
外装と内容物
今回レビューさせていただくのは2016年製、ワーニック社製造のもの。
ワーニック社はMREも含めて外袋にデートコードの印字が無いため、詳細な製造日については中身を見て確認する事とします。
なお、MCW、MREの製造会社や製造日を示すデートコードの読み方等については下記「MREとは?」の記事で解説してるので、詳しく知りたい方はこちらもぜひご覧ください!
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内容物
以前にMCWメニューNo.7をレビューした際は外袋を開けるのに苦労してしまいましたが、今回はすんなり開封。
ぎゅっと圧縮されたように中身が詰まってました。
以下が今回のラインアップです!
内容物
牛肉入りチリマカロニ、チーズスプレッド(ベーコン味)、クラッカー、トーストコーンカーネル、M&M`s、モカカプチーノ、アクセサリーパケット、スプーン
最後のアクセサリーパケットとスプーンはMREでもお馴染みですね。
ただ、MREはアクセサリーパケットがA、B、Cの3つのタイプがあってそれぞれ中身が異なるのに対して、MCWは共通の1種類のみ。
また、品数はMREより少なめですが、その分メインのカロリー量が高くなっています。
牛肉入りチリマカロニ
MCWではお馴染みのマウンテンハウス製のフリーズドライのチリマカロニです。
136g入りですが、これに約16oz(約453ml)のお湯を加えるので500~600gくらいと、1食としてはかなり量は多めになります。
真空パックされているので見づらいですが、カロリーは570kcal。
チーズスプレッド(ベーコン味)
チーズスプレッドはMREでもお馴染みですが、ベーコン味はかなりのレアもの!
チーズスプレッドをはじめとしたピーナッツバターなどのスプレッド類の容量が減った2017年より前のものなので、容量は1.5oz(約43g)。カロリーは180kcalです。
クラッカー
チーズスプレッドとは逆で、クラッカーはMREでも定番のプレーンのもの。
2枚入りで170kcal。
トーストコーンカーネル
おやつのトーストコーンカーネル!直訳すると「トーストしたトウモロコシの粒」。
日本ではミックスナッツに入ってるジャイアントコーンと同じようなものです。
57g入りでカロリーは270kcal。
M&M`s
デザートはチョコ菓子の定番M&M`s!ピーナッツ入りです。
MREにも入ってますし、元々はレーションのために開発されたチョコなんですよ。
1.75oz(約50g)入りで250kcal。
モカカプチーノ
ドリンクはモカカプチーノ!
袋に直接水かお湯を注いで飲むタイプです。
6oz(約170ml)分作れてカロリーは120kcal。
その他MCW共通で入ってるもの
付属品のスプーンとアクセサリーパケットです。
アクセサリーパケットの中身
左上からウェットティッシュ、ティッシュ、ミントガム、コーヒー、コーヒークリーム、ホットソース、砂糖、マッチ。
以上が今回の中身の詳細でした!
総カロリーは1,560kcal。やっぱりMREと比較すると高めですね。
また、アクセサリーパケットのデートコード6347が一番新しかったので、2016年12月12日以降に梱包されたものという事が分かりました。
2016年製MCWメニューNo.3の実食レビュー
それでは早速実食していきたいと思います!
まずはメインのチリマカロニの準備から。
チリペッパロニにお湯を加えて準備
中味はカップラーメンの中身のような見た目です。
マカロニに豆、四角いお肉があるのが分かりますね。
これにお湯を加えていきますが、説明書きどおりに16ozだと水っぽくなりすぎるという意見が多いので、若干少なめの14~15ozほどの量で作りたいと思います。
水分がちゃんと行き渡るように一度にお湯を全部入れず、半分ほど入れてかき混ぜ、少しずつお湯を加えていくのがコツです。
お湯を全部入れてかき混ぜ終わったら袋の口を閉じ、10~15分ほど待ちます。
コーヒーの準備
メインが仕上がるまでの間にコーヒーを淹れたいと思います。
が、アクセサリーパケットの中身を見た時に「嫌な予感がする」と触れましたが、マッチのホチキス部分が錆びていたという事は、何らかの水分がアクセサリーパケット内に含まれていた事になります。
以前レビューしたMCWの時もそうでしたが、コーヒーは袋を触った時点でダメになってるなと感じました。
一応、中身を見てみましょう。
案の定、真っ黒になっていてカビてました。
製造から6年経ってますし、こういう事はレーションあるあるですね。
仕方がないので今回はコーヒーおあずけです。
モカカプチーノを準備
コーヒーがダメなのでモカカプチーノをいただきたいと思います!
お湯と水どちらでも作れますが今回は水で。
ちゃんと粉が溶けるようによく振ります。
甘くなりすぎないように水はちょっと多めに注ぎました。
甘さすっきりのとても飲みやすいカプチーノの完成です!
コーヒー感はあまり強くなく、クリーミーでミルク多めな仕上がりです。
チリマカロニ完成。味は?
10分ちょっと経ち、良い具合にチリマカロニが出来上がりました!
早速そのままでいただきたいと思います!
ビーフの味がはっきり、ハンバーガーのパティのようにお肉の旨味を感じる事が出来ます!
ちゃんとした挽肉の食感にもなっていて、形成されたお肉感は無いですね。
MREに入ってるお肉はどうしても加工されたような少しクセのある味になってますが、こちらはとても自然な味です。
香りはスパイシーで辛さは弱めながらも感じられます。水を若干少なくした事で塩味は少し濃いめ。
豆の食感の方が強めなので、マカロニは存在感が少し薄いです。たまにちょっと固めのものが残っていてアルデンテに感じるものも。
このままでも十分美味しいですが、ホットソースがあるので使わせていただきます!
ホットソース追加で辛さはもちろん、酸味も加わって味の幅が広がってとても美味しいです!
フリーズドライなら余分な保存料などを使わなくても長期間の保存を実現できるので、MREとは違って何倍も美味しく仕上がります。
クセもなく、素材の自然な味も楽しめる美味しいメインでした!
中味の紹介の時に触れたように、水を加えるとかなりの量になるのでこれだけでお腹いっぱいです。
残りの中身はちょっと時間を空けて食べたいと思います!
クラッカー&チーズスプレッド
チリマカロニは朝に食べたので、昼過ぎにクラッカーとチーズスプレッドです。
ベーコン味というだけあって、普通のチーズスプレッドより旨味が詰まってて美味しいです!
スモーキーなベーコンならではの香りも感じられますね。
子供の頃(カナダに住んでいた時)に食べた何かの味にとても似てるんですが、、どうしても思い出せません。。
日本だとピザポテトにかかってるチーズみたいな感じでしょうか?ちょっと違う気もします。
プレーンのチーズスプレッドはずっと食べてるとちょっと飽きてきますが、パクパク食べられる美味しいスナックになりました。
おやつのトーストコーンカーネル
また少し時間を空け、おやつのトーストコーンカーネルです!
日本でお馴染みのジャイアントコーンより粒は小さめですが、味はほぼ一緒。
塩味が効いててビールととても良く合います。
口当たりは軽めですが、お腹に溜まって腹持ちが良いので小腹が空いた時にとても良いですね。
デザートのM&M`s
最後はデザートのM&M`sです!
ピーナッツが入ってるので通常のM&M`sよりは二回りくらい大きいサイズになってます。
チョコだけだとちょっと甘すぎる場合がありますが、ピーナッツが入ってると甘さが中和されてとても食べやすいですね。
まとめ
以上、今回は米軍の寒冷地用レーションMCWメニューNo.3「CHILI MACARONI WITH BEEF」の実食レビューでした!
以前にレビューをしたMCWのビーフシチューはMREの10倍美味しい!と表現しましたが、今回のチリマカロニも同様にとても味のクオリティが高いレーションとなってました。
フリーズドライなので保存性も高く、お湯さえあれば温かい食事が摂れるので、MREのようにFRHが機能しなくて冷たいまま食べるような事も無くて良いですね。
非常食としてとても優秀です。
MCWは流通量が少なくてなかなか手に入らないのが難点ですが、メインを作ってるマウンテンハウスと同じフリーズドライ技術を使った「サバイバルフーズ」であれば日本でも簡単に購入できます。
賞味期限も25年以上あるので、備蓄にオススメです。
興味のある方はぜひお試しください!