米軍のMREが誕生したのが1981年。
当初は12種類だけのメニューが現在は24種類まで増えていますが、誕生当初から40年近くに渡りメニューにあるのが「ビーフシチュー」。
そして、米軍のレーションでMREの次に有名なものといえば寒冷地用の「MCW」なのではないでしょうか?
そんなMCWにもMREで最長寿のメニューと同じ「BEEF STEW」が存在します。
今回は米軍寒冷地用レーション「MCW」の2016年製メニューNo.7「BEEF STEW」を食べてみたのでレビューをお届けさせていただきます!
MREと比べてどのような味の違いがあるのでしょうか?
目次
外装と内容物
ワーニック社で梱包されたMCWです。
2016年製というのは分かっているものの、ワーニック社は外袋にデートコードを印字していないので、2016年のいつ頃に梱包されたものなのかは中身を見て確認します。
なお、MCW・MREの梱包会社や、製造日を示すデートコードについては下記「MREとは?」の記事でまとめてるので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください!
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内容物
MREでもたまにある事ですが、早速中身を確認しようと外袋上部から開けるのを試みたところ、見事に途中で破れてしまいました。。
仕方がないので上部をナイフで切って開ける事としました。
そして、内容物は以下のようにコンパクトにまとまっています。
今回の中身は以下のラインナップとなってました。
内容物
ビーフシチュー、コーンカーネル、ピーナッツ、レモンポピーパウンドケーキ、グレープジュース、アクセサリーパケット、スプーン
太文字ではない最後の2つはMREにも入ってる共通の付属品ですね。
また、MREのアクセサリーパケットはタイプA~Cの3種類がありますが、MCWの場合は一種類のみです。
そして、MCWはカロリーがメインに寄っている分、品数はMREと比較すると少なめ。
1つずつ詳しく紹介していきましょう!
ビーフシチュー
メインのビーフシチューはマウンテンハウス社製のフリーズドライ食品。
がっつり真空パックされてしまってるので文字が見づらいですが、1食140g入りで580kcal。
こちらの袋に直接お湯を注いで食べる形になります。
メインのデートコードは「6320」なので、2016年11月15日製造のものという事が分かりました。
このMCWの最終梱包はこの日付より後になるので、2016年終わり~2017年初めに納入されたものと思われます。
MCWのメインを製造しているマウンテンハウスの事や、MCW全般に関する事は下記記事で解説してるので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください!
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コーンカーネル
こちらはMREでもお馴染みのおやつの一つ。日本だとミックスナッツに入ってるジャイアントコーンの粒が普通のトウモロコシサイズのものです。
57g入りで270kcal。
ピーナッツ
2つ目のおやつ、塩味のピーナッツです。
たまたまかもしれませんが、シンプルにピーナッツオンリーは今まで色々なMREを食べてきた中で出くわした記憶があまりありません。
28g入りで170kcal。
レモンポピーパウンドケーキ
デザートのパウンドケーキです。
こちらはMREでもたまに見かける品となっています。
71gで270kcal。
グレープジュース
今回の飲み物のグレープジュースです。
MREの場合、この形の袋に入ってる飲み物はココアやチョコドリンクなどになりますが、MCWの場合は通常のジュースもこのタイプなんですね。
12oz(約340ml)分作れて、180kcal。
その他MCW共通で入ってるもの
当然ですが、MCWはメインがフリーズドライなのでMREのようにFRHは付いていません。
アクセサリーパケットの中身
左上からコーヒー、コーヒークリーム、砂糖、ウェットティッシュ、ティッシュ、ミントガム、マッチ、ホットソースとなります。
そして、、コーヒーの袋を見ると濡れしまった跡がありますね。。マッチのホチキス部分も錆びてしまっています。
恐らくコーヒーはダメでしょう。。この後のレビューでどうなってるか見ていきたいと思います。
以上が今回のMCWの中身でした。
総カロリーは1,470kcal。MCWの標準どおりですね。
2016年製MCWメニューNo.7の実食レビュー
メインのビーフシチューにいく前に、先にコーヒーがどうなってしまっているのか確認したいと思います。
コーヒーはどうなっている?
案の定ですが、中は真っ黒に変色してカビてしまっていました。。
残念ながら今回はコーヒーはおあずけです。
メインのビーフシチュー準備
メインのビーフシチューは16oz(約450ml)のお湯を加えてかき混ぜ、10分ほど待つだけで簡単に作れます。
海外のMCWのレビューを観ていると、手順どおり16ozのお湯の量だと水っぽくなりすぎるという意見が多かったので、13oz(370ml)くらいで作ります。
半分ほどお湯を注いだら全体にお湯が行き渡るように一旦かき混ぜて、残りのお湯を注ぎます。
もう一度よくかき混ぜたらあとは10分ほど待つだけです。
ビーフシチューの完成待ち中にグレープジュース
グレープジュースも水を入れて良く混ぜればすぐに完成です。
味はMREのジュースと同様、人工的なグレープの味です(笑)
ビーフシチューの準備完了!味は?
10分経ち、フリーズドライがしっかり戻ってくれました。
お湯も加えるとMREのメインの倍以上の重さになるので、かなりズッシリしています。
そして肝心の味ですが、「旨い!」が率直な感想です(笑)
MREは独特な味をしているので、メニューの内容や食べる人によってはちょっと微妙と感じてしまう事もありますが、物凄く自然な味です。
ジャガイモにグリーンピース、ニンジンなどの野菜と、牛肉の旨味がちゃんと感じられ、ソースにも素材の味が染み出ています。
味付けはシンプルな塩味ベース。
入れるお湯の量を若干少なめにした事で水っぽさもなく、味の濃さもちょうど良くなりました。
アクセサリーパケットに入っていたホットソースを加えた事で少しだけピリッとした辛さと酸味がアクセントになり、さらに味の幅が広がりました。
今まで多くのMREを食べてきましたが、味のクオリティでいうと次元がちょっと違います。MREと比べると入手難易度が高いのがただただ残念です。
そして、メインだけでかなりの量があるので、これ一つで満腹になってしまいました(笑)
残りの品はちょっと時間を開けて食べます!
おやつのコーンカーネル
前述したようにジャイアントコーンの粒が小さい版なので、味は想像のとおりです。
しっかり塩味が付いていて、ビールにとても合う味になってます。
おやつ②のピーナッツ
MREのナッツレーズンミックスは味付けがされてませんが、塩味が付いてくれてるのはとても嬉しいです。
コーンカーネルと一緒に、お酒のお供としていただきました。
デザートのレモンパウンドケーキ
最後はデザートのパウンドケーキです。
爽やかなレモンの香りがし、ケシの実のプチプチした食感がクセになります。
アメリカのお菓子などでありがちな甘すぎるような事もなく、上品な味わいのパウンドケーキです。
まとめ
以上、米軍MCW「BEEF STEW」の実食レビューでした!
今回初めてMCWを食べましたが、味のクオリティの高さにびっくりです。
自衛隊の戦闘糧食と張れるくらいの味といっても過言ではありません。
レーションにはそれぞれの種類によって用途が異なるので、MREのメインがフリーズドライに入れ替わる事は無いものの、このレベルの味にぜひ近づけてほしいなと思いました。
記事内でも触れたようにMCWは入手難易度が高いのでなかなか手に入れづらいですが、メインを製造しているマウンテンハウスを同じフリーズドライ技術を使用した非常食「サバイバルフーズ」であれば日本でも販売されています。
いつか当サイトでもレビューしたいなと思ってましたが、今回のMCWを食べてみて増々サバイバルフーズも試してみたいと思いました。
20年以上の賞味期限、お湯を加えるだけで食べられるという点は非常時の備蓄として大変オススメですよ。
是非試してみてください!