世界各国の軍隊などが兵士用に用意してる携行食であるレーション。
一番定番なのは当サイトでメインにレビューをしてる米軍のMREで、かなりの量が流通しているので入手難易度は一番低くなっています。
そして、その次に流通してるのがロシア軍のレーション。
色々な種類もあり、その大きさと量が多いので有名です。
今回はそんなロシアの24時間用レーション「IRP」を入手して実食しましたのでレビューをお届けしたいと思います!
はじめに申し上げると、24時間用という事もあり当サイトの今までのレビューの中で一番長いものとなってます(笑)
ぜひ最後までお付き合いください!
目次
ロシア軍レーション(IRP)の特徴
ロシア軍のレーションには1食用、24時間用、緊急事態時の一般市民への配給用から寒冷地用(ロシア自体が寒冷地ですが)など、さまざまな種類が存在します。
その中でも一番一般的なのが総重量が2kg近くある、24時間用の「IRP」。
IRPは「Individualnovo Ratsiona Pitanee」の略。英語に直すと「Individual Food Ration」で、日本語だと「個人用配給食糧」といったところでしょうか。要は1兵士の24時間分の食料が一つに詰まっている形となります。
「IRPRUS」と書かれている事がありますが、こちらは「IRP-RUSSIA」が略されたものとなっています。
この24時間用のレーションも今回レビューさせていただくパッケージ以外にも種類がありますが、情報収集不足でイマイチ違いが良く分かっていません(笑)
中身の違いなどはありますが、大まかな特徴などはこの後に解説させていただくものと共通になっています。
重量と総カロリー
ロシア軍のIRPの一番の特徴はその重量と大きさ、総カロリーです。
重量は約1.7~1.8kg程度、総カロリーは4,000kcalを超えます。
米軍のMREが一食あたり1,200kcal程度なので、その高さが分かりますね。
大きさが伝わりやすいように、カードホルダーとサイズを比較してみました。
米軍のMREや自衛隊の戦闘糧食を見慣れてるので、その大きさと重さには圧倒されます。
余談ですが、比較したMAGPUL製のカードホルダー、知ってる人は知ってるブランドなのでとてもオススメですよ。
ロシア軍レーションの賞味期限
今回レビューさせていただくIRPは2021年1月20日製造のもの。
賞味期限は2022年12月10日なので、約2年程度となっています。
ロシア軍レーション(IRP)はどこで買える?
オススメの購入場所は「eBay」です。
海外からの直接輸入になるので税関などで止まってしまわないか心配な場合もありますが、ロシア軍レーションに入ってる肉製品は全て缶詰なので特に引っかかることもありません。
色々な販売主がいますが、僕が何度もレーションなどを購入してるのは「lowestpriceru」という販売主で、こちらは送料も無料なので3~4,000円程度で入手できます。
注文から2週間程度で到着します。
リンクを貼っておきますので、興味のある方は覗いてみてください!
ロシア軍レーション(IRP)の開封&内容物確認
外袋の端に切り口があるのでここから開けます。
そして、袋はジッパー付きなので、食べる分だけ取り出して、残りはまた袋に入れておけるようにもなってます。
箱の中はギッシリと色々なもので詰まってました。
隙間なく詰められてるので、一度出したら確実に元に戻せないやつですね。
そして、こちらが今回のレーションの全中身です。
24時間用という事もあり、かなり中身が多いですね。
ちょっと大変ですが、ひとつずつ紹介していきたいと思います!
クラッカー
レーションや非常食でお馴染みのクラッカー。
ロシア語→英語の翻訳によると「Wheat flour Biscuits」と訳されたので、小麦粉のプレーンなクラッカーみたいです。
8枚入り×4つ、計32枚入っていました。
胚芽入りクラッカー
次はさらにクラッカー!
なぜ翻訳で「Biscuits from Wallpaper flour(壁紙の小麦粉ビスケット)」と出てきたのかは謎です(笑)
見た目から判断すると胚芽入りのクラッカーと思われます。
肉と豆、野菜の煮込み
メイン料理の一つ、お肉と豆、野菜の煮込みのようです。
容量は250g。
ビーフシチュー
メイン料理2つめ。こちらは分かりやすく翻訳されてビーフシチューのようです!
容量は同じく250g。
蕎麦の実と牛肉のおかゆ(カーシャ)
直訳をすると「蕎麦の実と牛肉のおかゆ」ですが、日本でいう「おかゆ」とは絶対違うはずです。
調べてみると「カーシャ」と呼ばれるロシアだと定番の料理のようです。
蕎麦の実をおかゆのように煮込んでいるのしょうか?
食べた事がなく、開けてみるまで分からない謎の食べ物なのでレビューで確かめてみます(笑)
ベジタブルキャビア?
翻訳では「ベジタブルキャビア」と出てきます。
全くの謎です。これもレビューの際に何なのか見ていきましょう。
容量は100g。
プロセスチーズ
翻訳だと「プロセスチーズ」、やっと何か理解できるものが出てきました!
MREのチーズスプレッドのようにクラッカーに乗せて食べる形になりそうですね。
容量は80g。
ソーセージ
翻訳だと「ミンチソーセージ」と出てきました。
形から想像するとSPAMみたいなものでしょうか?
容量は100gです。
ピーチジュース
こちらはパッケージを見ても分かりやすいですね。
ピーチジュースの粉×2個です。
ウェットティッシュ
こちらはシンプルにウェットティッシュ。
3食分として3つ付いてきます。
チョコレート
デザートのチョコレートです。
チョコは昔からどの国でもレーションとしてお馴染みですね。
アップルジャム
翻訳はよくわからない言葉が出てきましたが、「Apple」とあったのと、パッケージの絵、触った感触でもアップルジャムと分かります。
クラッカーに塗って食べる事になりますね。
紅茶
紅茶は2つ入っていました。
触った感触ティーパックタイプです。
コーヒー
コーヒーはインスタントタイプが2つ入っています。
塩
5g入りの塩が2つです。
米軍のMREはそのまま食べてなんら問題ない味の濃さなので使う事が少ないですが、ロシア軍のレーションはどうなのでしょうか?
ガム
食後に食べるガムですね。
10個入りですが、せめてもう少し小分けにしてもらえると嬉しいですね。。
砂糖
なんと15g入りの砂糖が4つもありました。
コーヒー1杯5gあれば十分なんですが(笑)
コーヒー×2、紅茶×2しかないので1つで十分足りそうです。
コーヒークリーム
コーヒークリームは2.5g入りが4つありました。
という事は紅茶はミルクティーとしていただく形になりそうです。
スパイシーソース
こちらはホットソースのようです。
原材料を見るとトマトペーストがベースになってますが、どれくらい辛いのでしょうか?
黒コショウ
塩とか砂糖はあんなにいっぱいあるのに、黒コショウは小さいパックひとつだけです(笑)
実際にメインを食べてみてコショウと追加したくなったら利用してみます!
その他付属品
やっと最後です!
左上は簡易ストーブと着火剤。
それ以外は見たとおり、ナプキン、スプーン×3つ、ナイフとなっていました。
以上がロシア軍レーションの中身全容でした!
最後に、紙にリストとして内容物と製造元、食べ方などが印刷されてるものも入ってました。
ロシア軍のレーション「IRP」の実食レビュー!
中身の紹介だけで普段レビューしてるMREの記事の文字量を優に超えてしまいました。
しかしここからが本番、1~2日かかると思いますが、全てレビューさせていただきます!
1食目(朝食)
1食目は朝食です。
軽めにしておきたいのでソーセージ、クラッカー、全粒粉的なクラッカー、アップルジャム、コーヒーの5点。
ウェットティッシュはどんな感じ?
食べ始める前にまずは手を拭くところから。
ロシア軍レーションのウェットティッシュですが、かなり丈夫な素材から作られたしっかりしたものでした。
MREのウェットティッシュはツルツルしていて紙っぽさがあるのに対して、布に近いような触り心地でした。
まずはコーヒーから
朝食なのでまずはコーヒーからいただきたいと思います!
MREのようにベバレッジバッグは無いので、普通にコップでいただく形です。
砂糖1パックは多すぎるので、1/3ほど使います。
酸味が少なく、苦みとロースト感の強いコーヒー美味しいコーヒーです!
砂糖は多いと思いましたが、苦みが強めなタイプなので半分くらい入れて大丈夫なように感じました。
クラッカー
袋の中では辛うじて形を保っていたクラッカーですが、中で割れてしまっていたので袋から出した瞬間粉々に崩れてしまいました。
MREなどのクラッカーと比べると少し固め、乾パンよりは柔らかい程度の固さです。
そして味付けはされてないので、シンプルな小麦粉の味になってます。
他のおかずなどで食べる用ですので、他のものと一緒に食べてみましょう。
ソーセージ
スパムのような、パテのような見た目のソーセージです。
まずはそのままで一口、レモンの香りが効いた薄味の美味しいソーセージになってます。
コーンビーフのような風味も感じられます。
食感はスパムをもっと柔らかくしたような感じです。
柔らかめなので、クラッカーにも塗りやすい形となっています。
少し温めてあげた方がより美味しくなると思われるものの、そのままでも違和感なく、さっぱりとした美味しいソーセージでした。
胚芽入りクラッカー&アップルジャム
通常のクラッカーとは逆に、こちらは割れずに形を保っていました。
固さは通常のものとほとんど同じ、胚芽の香りが広がります。
アップルジャムはリンゴを凝縮したようなの味わいで、シナモンの香りも。
甘さ加減もちょうどよく、美味しくいただけました!
以上が一食目でした!
4~5時間時間を空けたら昼食にしたいと思います。
2食目(昼食)
2食目の昼食は肉と豆、野菜の煮込みをメインにクラッカー、紅茶とピーチジュースをいただきます。
飲み物の準備から始めます!
紅茶を淹れる
紅茶はティーパックタイプなのでコーヒーと同様にコップでいただく形です。
お湯を入れて数分で良さそうな濃さに。
味は特別なクセも無く、ごく普通のものでした。
ピーチジュース
お次はピーチジュースです。
せっかくなので余ってるMREのベバレッジバッグで作りたいと思います。
どれくらいの量が作れるのかよくわからないので、、MREのジュースと同様に12oz(約340ml)分作ってみる事とします。
ザラメのように少し大きめな粒の粉です。
MREのジュースは毒々しい色のものが多いですが、こちらは自然な色ですね。
そして味ですが、桃の風味を付けた砂糖水のようです(笑)
なんでしょう、甘すぎるわけではないものの、すっきりとした飲み心地というよりベタっとした甘さと後味が残ります。
メイン料理を簡易ストーブで温め
いよいよメイン料理!
このようなタイプの簡易ストーブは使った事が無いので少し緊張、、テーブルが焦げないようにアルミホイルを敷いて使います。
付属の金属の板(?)のようなものを折って写真のような形にし、着火剤を置いて火を点け、上に缶詰などを乗せて温める形です。
マッチで火を点けるとすぐに着火しました。
先に触れておくと、フタを全部開けずに乗せたのは失敗でした。
というのも、直火というだけあって3分ほどすればグツグツと煮立ってきて十分に温まるんですが、着火剤は10分くらい火が止まりません。
火の勢いもかなり強く、簡易ストーブから缶詰を下すのも一苦労です。
そして容器も熱々になってるのでフタを取るのにもまた苦労します。
なんとかストーブから下ろしてフタも開ける事が出来たので、早速いただきたいと思います
メインの肉と豆、野菜の煮込みの味は?
とても上品な味に仕上がってる美味しい煮込み料理です!
お肉は豚肉で、トマトがベースのスープで煮込まれています。
MREのメイン料理やお肉は長期保存のための加工感のような独特のクセがありますが、そのような事もなく物凄く自然な素材の味となっています。
牛肉の旨味と野菜のエキスが全体に染み渡ってます。
塩加減は薄すぎず濃すぎずなので、クラッカーと一緒に食べるのにちょうど良いバランスですね。
そして豆が全体に食感の幅と、食べ応えを与えてくれてました。
日本の自衛隊の戦闘糧食も味のクオリティはかなり高いですが、良い勝負です。
これは続いての食事もどんな内容か、楽しみです!
3食目(夜ごはん)
夜ごはんはビーフシチュー、クラッカー、チーズ、コーヒー、使うか分からないけど塩、コショウ、スパイシーソースをいただきたいと思います!
メインのビーフシチューを温め
こちらが加熱前のビーフシチュー。
今回は前回の失敗を元にちゃんと開封してから加熱します。
かなり油が多いですね、、白いものは全部油です。
今回のレーションには含まれてませんが、ロシア寒冷地用(ロシア自体寒冷地ですが)のものだと、脂肪(もしくはラード?あまり詳細は把握してません)だけの缶詰もあるようです。
寒い地域で脂肪を多く摂取して体を温めるためにここまで油分が多いのでしょうか?
それはさておき、加熱していきます。
3~5分ほどで固まっていた油も溶けてシチューっぽくなりました。
ビーフシチューの味は?
お肉がほろほろでとても柔らかいです!
味付けは塩味がベースになってるので日本でお馴染みのビーフシチューとは少し異なりますが、これもまた素材の味が活かされた美味しい一品ですね。
脂肪分が多い事もあり、汁にも旨味が広がっていてとても温まります。
良い意味でシンプルですが、少しだけ味が単調なのでスパイシーソースを使ってみましょう。
ホットソースなのかと思いましたが、どちらかというと甘味の方が感じられるトマトベースのペーストでした。
ビーフシチューにはあまり合わなかったので、ここで黒コショウを登場させてみます。
粉ではなく、粗びきの黒コショウですね。そして相性は抜群です!
塩味はちょうど良かったので、特に追加で使う必要はありませんでした。
クラッカー+チーズ
続いてはチーズをクラッカーと一緒に食べたいと思います。
翻訳で出てきたとおり、プロセスチーズらしい味です。
MREのチーズスプレッドはかなり味が濃いめですが、塩味は強くなく、食感と味ともにベビーチーズのようです。
クラッカーと一緒だとどうでしょうか?
クラッカーと合いますが、少しだけ味が物足りないですね。
ビーフシチューに合わなかったスパイシーソースを使ってみます。
少しピリッとした辛さと、トマトの甘味が加わり良い味になりました!
3食目も美味しい食事になりました。
ただ、24時間用ではあるものの、一日では消費しきれない量です。
残りは翌日に回してたべたいと思います!
4食目(昼食)
4食目は翌日昼に。
クラッカー、胚芽入りクラッカー、蕎麦の実のおかゆ、ベジタブルキャビア、紅茶、ピーチジュース、チョコレート、ガムという組み合わせです。
クラッカー+キャビア
最初にベジタブルキャビアという謎の食べ物に挑戦させていただきます。
どうやら色々な野菜をペースト状にしたもののようです。
見た目からするとトマトがベースになってるようですね。クラッカーに塗っていただきます。
野菜で作ったジャムのような優しい味付けで、少し甘味と塩味、パプリカの香りがする上品なペーストです。
味が少し薄めで辛くないインドカレーのようにも感じます。
味付きのトルティーヤのディップとしてもとても合いそうなペーストでした!
蕎麦の実のおかゆ(カーシャ)
謎だった食べ物はこのような見た目になってました。
蕎麦の実と、細かく刻まれたお肉が混ざっています。
他のメインと同様に簡易ストーブで加熱していきましょう。
他のメインと比べると水分量が少ないですね、そして味付けが薄いです。
牛肉が入っているものの量は少なく、あまり味としては感じません。
ちょっと塩を加えてみます。
うーん、味は付きましたが、ちょっと微妙です。
少し味付けされた穀物という印象で、これはもしかすると他のメインと一緒に主食として食べるものだったのかもしれません。
缶の底の部分が少し焦げていて蕎麦の香りが良いものの、ちょっと微妙な味です。
次回レーションに入っていた場合は単体では食べない事にしたいと思います。
チョコ
口直しにデザートのチョコレート!
甘さは控えめのダークチョコとなっています。
微かにミントのような香りも感じられます。
口直しにはちょうど良い味でした。
24時間用レーションなのに1つしか入ってないのはちょっと残念です。
ガム
最後の一品になりました!食後用のガム。
こちら、とても固いです(笑)
もちろんガムなので噛んでいると普通のガムになっていきますが、最初の一口は「これ飴なのでは?」と思う固さでした。
味はシンプルなミントガム。
戦場では食後に歯磨きとはいかない事がほとんどですので是非持っておきたいですね。
まとめ
以上、ロシア軍の24時間用レーション「IRP」の実食レビューでした!
普段あまり馴染みの無い国の食べ物は口に合うのか少し心配になりますが、ロシア軍のレーションはかなりクオリティが高くて美味しいのにはびっくりしました!
そして1.7kg、4,000kcal超えという量にはやっぱり圧倒されます(笑)
1つあれば1.5日くらい、小食の方であれば2日間は余裕で持つ量です。
簡易ストーブと着火剤があるのでMREのFRHのように発熱不良の心配をする事もなく、確実に温かい食事が摂れますので、非常用に1つは常備しておきたいなと思える品でした。
ご紹介させていただいたeBay経由であれば3,000円台とかなり安く手に入りますので、この機会にぜひ試してみてはいかがでしょうか?