特に寒い環境だとレトルト食品は凍ってしまうので食べる事が出来ないので、各国の軍隊などはそのような環境で活動するため専用のレーションを用意しており、アメリカ軍のものは「MCW」と呼ばれています。
詳細については下記記事で既に解説してるので割愛しますが、今回はそんなMCWのメニューNo.4「TURKEY TETRAZZINI(ターキーテトラジーニ)」を実食レビューしてみたいと思います!
テトラジーニという日本だとなかなか聞き慣れない料理ですが、どのようなレーションになっているのでしょうか?
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目次
TETRAZZINI(テトラジーニ)とは?
はじめに、テトラジーニとは何ぞや?という方も多いと思うので簡単に解説させていただきます。
テトラジーニはイタリア系のアメリカ料理で、クリームソース系のパスタにチキンやさまざまな野菜、チーズを乗せるなどしてオーブンで焼きあげる料理です。
これといった決まりが無く自由に作るタイプの料理なので入れる食材もさまざま。ターキーは感謝祭やクリスマスなどのお祝い時に食べる事が多いので、翌日に余ったものでターキーのテトラジーニを作る事が多いみたいですよ。
外装と内容物
今回レビューさせていただくMCWは2016年製、ワーニック社製造のものです。
当レビューが2023年なので、7年経っている事になりますね。
MREは製造から5年程度までが賞味期限とされているものの、10年以上経っても食べられるのが実際です。
MCWはメインがフリーズドライなので、7年であればまだまだ余裕で食べられるはずです(少なくともメインは)。
米軍のレーション各種は外袋にデートコードが印字されているものがほとんどですが、ワーニック社のものは無いので、2016年のいつ頃に製造されたものなのかは中身を空けて確認する事になります。
なお、MCWやMREの製造会社、製造日を示すデートコードの読み方などの基本的な情報については下記「MREとは?」の記事で解説してるので、詳しく知りたい方はこちらもぜひご覧ください!
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開封&内容物確認
MCWの外袋はMREのものよりさらに頑丈に出来てるので、上部の「Pealable Seal」と記載の部分からいくら手で開けようとしても開いた試しがありません。
そして、今回の中身は以下のようなラインアップになっていました!
内容物
ターキーテトラジーニ、クラッカー、ファーストストライクエナジーバー(チョコ味)、チョコピーナッツスプレッド、モカカプチーノ、グレープジュース、アクセサリーパケット、スプーン
それぞれの中身の詳細を見ていきましょう!
ターキーテトラジーニ
まずはメインのターキーテトラジーニ!
MCWではお馴染みアメリカのマウンテンハウス社製です。
この状態で125g、約450mlのお湯で戻すので最終的には約575gになります。
袋がかなり圧縮されているので写真だと全く読めないですが、カロリーは640kcal。
クラッカー
次はMREでも定番の主食、クラッカーです。
2枚入りで37.8g、こちらも写真では見えないですが、カロリーは170kcalとなっています。
デートコードは6333なので2016年の11月28日に製造されたものです。
ファーストストライクエナジーバー(チョコ味)
次はこれもまたMREではよく見かける、ファーストストライクエナジーバーです!
今回はチョコ味ですが、これ以外にはアップルシナモン味もお馴染みです。
デートコードは6313なので、クラッカーより少し早めに製造されています。
重さは65gで、カロリーは280kcal。
チョコピーナッツスプレッド
次はなかなかレアなアイテムですね。
チョコとピーナッツを混ぜたスプレッドで、当サイトでレビューしたものだと2015年製のMREメニュー12くらいでしか見かけた事がありません。
42.5g入りで、カロリーは240kcal。
糖質と脂質によって、これだけでもそこそこカロリーが高いアイテムですね。
モカカプチーノ
次は飲み物!
個人的には米軍のレーションに入ってる飲み物の中では一番好きなモカカプチーノです!
粉だけだと28g、これに約170mlの水を加えるので約200mlになります。
カロリーは120kcal。
グレープジュース
2つ目の飲み物はグレープジュース!
通常のMREは別に用意されてるベバレッジバッグに粉と水を入れて作りますが、こちらはこのままこの袋で飲むタイプですね。
粉だけで49g、これに340mlほどの水を加え約400mlになります。
カロリーは180kcal。
アクセサリーパケットの中身
最後は各MCW共通で入ってるアクセサリーパケットです。
デートコードが6347と一番若いので、今回のMCWは2016年12月12日以降に最終梱包されたものという事が分かりました。
左上からコーヒー、コーヒークリーム、砂糖、ホットソース、ウェットティッシュ、ティッシュ、ガム(ミント味)、マッチです。
MREはメニュー毎によってアクセサリーパケットの中身が異なりますが、MCWは全て共通です。
そして、マッチのホチキス部分を見ると錆びてしまってますね。
どこかのタイミングで水分が入ってしまったようで、コーヒーと砂糖も外から触るだけで固まってしまってるのが分かります。
恐らくコーヒーは飲めないですが、とりあえず実食レビューに移っていきましょう!
2016年製MCWメニューNo.9の実食レビュー
という事でここからは実食レビューに移ります!
早速メインの袋を開けてお湯を注いていきたいところですが、先にコーヒーがどうなっているか確認してみましょう。
先にコーヒーの確認
写真のとおり、黒ずんでいて完全にダメになってしまっています。
フリーズドライなのできちんと保管されていれば10年以上は余裕で持ちますが、やはり水分が入ってしまうとダメですね。
微かにコーヒーの香りはしますが、ここまでの状態になってしまうとあまり嗅ぎたくもありません(笑)
今回はコーヒーを諦め、メインの準備に取り掛かりたいと思います!
ターキーテトラジーニの準備
袋上部を開けて空気が入ったら栄養表示が読めるようになりました。
まずは中身がどうなっているか見てみましょう。
ターキーと思われる塊や細かく刻まれたパスタ、人参にアスパラガスも見えますね!
これに沸騰したお湯を加えてきます。
説明書きどおりだと約450ml加えるようにとなってますが、MCWのメインは書いてあるとおりにお湯を入れると水っぽくなりすぎてしまうので、今回は約400ml程度にしておこうと思います。
最初に半分ほどお湯を入れ、少しかき混ぜてから残りのお湯を加えていきます。
全部入れ終わったら最後にもう一かき混ぜし、袋上部を折りたたんで10分ほど待てば完成します。
待っている間にグレープジュース!味は?
グレープジュースは袋に直接水を入れよく振れば完成します。
本来は袋から直接飲めるようになってますが、どのような見た目かを確認するためにグラスに注いでみましょう。
粉の色は少しだけ青い、ほぼ白いものだったのに水を加えただけでここまで紫になるのは不思議です(笑)
ただ、味については甘すぎず、少し酸味もある爽やかなグレープ味で、人工的な感じはほとんどしません。
とても飲みやすく、喉も渇いていたので一気に飲んでしまいました。
ターキーテトラジーニの味は?
10分経ったのでいよいよメインのターキーテトラジーニをいただきます!
袋が縦長でこのままだと食べづらいので真ん中あたりまで切って開いて食べていきます、
シチューのような美味しい香りが漂ってきますね。
そして肝心の味ですが、バターやチーズの香りがする美味しいホワイトソース系に仕上がってます。
ソースにはターキーをはじめとした各素材の旨味が溶け込んでいますね。クラムチャウダーに少し近いような口当たりと風味です。
ターキーは食感も自然でお肉の繊維まではっきり分かりますね。ほんの少しだけ中心部分が乾燥している感じはしましたが、塩気も詰まってて美味しいです。
アスパラガスやネギはシャキっと、人参は柔らかく、マッシュルームはしこしこしてて、色々な食感が楽しめます。
パスタはかなり柔らかいのであまり存在を感じる事ができません。
このままでも十分美味しいですが、少しパンチが欲しいのでホットソースを使ってみましょう。
タバスコよりも酸味が少なく、それなりに辛さがしっかりとしているソースです。
こちらを加えた事で味に刺激が加わり、一段と味に深みが増しました!
全体的に味が引き締まりますね。
ただ、ホワイトソース系なので同じ刺激を加えるのであればブラックペッパーの方が合いそうだなと思います。
作る際に説明書きより少なめのお湯を使いましたが、それでも気持ち水っぽさはありますね。
味が薄くなったりはしてないので好みの問題ではありますが、個人的にはもう少しお湯を少なくしてドロッとさせた方が好きかもしれません。
完食です!
やはりフリーズドライは保存料など最低限で長期間保存が可能、元の味をそのまま保てるので、レトルトパウチのMREとは味のクオリティが断然違いますね。
エナジーバーの味は?
続いてはデザートにチョコ味のエナジーバーです!
袋を開けるとリッチなチョコの香りが漂います。
ダークチョコがベースの味なので甘すぎず食べやすいですね。濃厚で程よい苦みとチョコの香りが広がります。
カロリーメイトのようなブロックタイプというより、キャラメルのように柔らかくて粘着性のあるタイプで全体的に固すぎず柔らかすぎず、中に入ってるライスクリスプのシャリシャリとした食感がクセになるエナジーバーです。
クラッカーとチョコスプレッドの味は?
少し時間を空けて小腹が空いたので、おやつとしてクラッカーとチョコピーナッツスプレッドをいただきます!
まずはクラッカーの状態を確認していきましょう。
端っこは少し欠けてますが、割れずに良い状態を保ってますね。
クラッカー単体はプレーンでこれといった特徴の無い味です。
チョコピーナッツスプレッドは甘くもありながらピーナッツバターならではの塩気とのバランスが良い、美味しいスプレッドです。
チョコ自体はミルクチョコくらいの濃さなので苦みはあまりありません。
クラッカーの香ばしさとスプレッドとの組み合わせが良いですね。
そして若干だけ油が酸化してるような香りも感じましたが、そこまで気になるレベルではありませんでした。
モカカプチーノの味は?
最後に、もう一つの飲み物のモカカプチーノです!
粉はココアよりも色が薄く、ミルクコーヒーみたいですね。
味はどちらかというと甘め寄りですが、雪印のコーヒー牛乳ほどではなく、また、ミルク感があるのでとてもすっきりしていてゴクゴク飲めちゃいます。
やっぱりMREでは一番お気に入りの飲み物です。
まとめ
以上、今回は米軍寒冷地用レーション「MCW」のメニューNo.4「TURKEY TETRAZZINI」の実食レビューでした!
これまでレビューしてきたMCWはメキシカン系などが多かったですが、また違う系統の味が楽しめてとても美味しい味わいでした。
長期保存が出来て味のクオリティも高いフリーズドライ食品はやっぱり良いですね。
ただ、日本で手軽に買えるフリーズドライ食品となると味噌汁とかに限られてくるのがちょっと残念です。
今回紹介をしたMCWのメインを作ってるマウンテンハウス社と同じ技術を使った「サバイバルフーズ」であれば同様の味が楽しめると思います。
ターキーではありませんが、「チキンシチュー」などかなり近そうですね。
楽天やAmazonでも購入可能なので、気になる方は是非試してみてください!